日本学術会議法案に対する代表声明

2025/04/24

 

2025年4月24日

                        貧困研究会代表 松本伊智朗

日本学術会議法案に対する声明

 今般の国会に提出された日本学術会議法案(以下「法案」)について、日本学術会議声明「次世代につなぐ日本学術会議の継続と発展に向けて―政府による日本学術会議法案の国会提出にあたって(2025年4月15日)」、および法案の修正を求めた日本学術会議総会決議(2025年4月15日)に賛同し、法案の修正を求めます。法案には、これらの声明および決議において述べられているように、以下の懸念があります。

すなわち、法案は日本学術会議が2021年4月22日、第182回総会で議決した「日本学術会議のより良い役割発揮に向けて」に示される「ナショナル・アカデミーの5要件」、すなわち①学術的に国を代表する機関としての地位、②そのための公的資格の付与、③国家財政支出による安定した財政基盤、④活動面での政府からの独立、⑤会員選考における自主性・独立性の各要件を満たしていません。

また、2024年7月29日の日本学術会議会長声明「法人化をめぐる議論に対する日本学術会議の懸念」において、「『近視眼的な利害に左右されない独立した自由な学術の営みを代表するアカデミーの活動』を阻害するもので、とうてい受け入れられない」と表明された5項目の懸念、すなわち①大臣任命の監事の設置を法定すること、②大臣任命の評価委員会の設置を法定すること、③「中期目標・中期計画」を法定すること、④次期以降の会員の選考に特別な方法を導入すること、⑤選考助言委員会の設置を法定すること、に関わる懸念が払拭されていません。

貧困研究会は、日本学術会議の協力学術団体として、学術の発展に寄与する役割を担っています。「近視眼的な利害に左右されない独立した自由な学術の営み」は、すべての学術の発展の基礎であり、社会の発展の基礎でもあります。貧困研究会代表として、2025年4月15日の日本学術会議総会における声明および決議に賛同し、法案の修正を求めます。

以上